トップページ > CARさっぽろジャーナル > 運転手なのに車酔いするのはなぜ?「自分の運転で酔う人」のための対策

運転手なのに車酔いするのはなぜ?「自分の運転で酔う人」のための対策

  • 雑学

 

こんにちは、CARさっぽろです!

 

誰かと一緒に車で出かけた際、運転手の運転が荒くて車酔いしてしまった方は多いのではないでしょうか。

 

しかし、中には「自分の運転で酔う人」も一定数存在しており、当てはまる原因としては体調不良、運転技術、ストレスなど様々なケースが考えられます。

 

この記事では、車酔いのメカニズムに触れつつ、自分の運転で酔ってしまう場合の対策について解説します。

 

 

車酔いが起こる主な原因

 

 

車酔いが起こる主な原因として、人間が目から得られる情報と、耳の奥にあるバランス感覚をつかさどる器官「三半規管」の感覚にズレが生じることがあげられます。

 

人間は、自分が今どのような状態にあるのか、視覚と三半規管によって知覚しています。

 

しかし、車がカーブしたり起伏のある道を走ったりすると、「揺れ」と「景色の動き」との間に差異が生じます。

 

そして、三半規管が感じている身体の位置や傾き具合と、目から得ている情報との違いが激しくなると、脳がその違いを処理しきれなくなり、次のような症状を引き起こしてしまうのです。

 

  • 顔の青ざめ
  • 吐き気
  • 冷や汗
  • 頭痛
  • 生あくび など

 

このような症状は、身体が加速・減速するために起こることから「加速度病」と呼ばれることもあります。

 

※参考記事:医療法人いちえ会 伊月病院|加速度病について

 

車酔いを助長する刺激もある

 

車酔いの主な原因は、揺れと景色の動きの差異であることから、それを助長するような刺激を与えると車酔いが悪化するおそれがあります。

 

例えば、峠道や高速道路を走行中にアクセル・ブレーキを頻繁に踏むような運転をすると、揺れやスピードによる強い刺激によって車酔いになるケースは珍しくありません。

 

また、車で移動中にスマートフォンの画面を見続ける、読書をするなどの行為は、自律神経の乱れを誘発して車酔いを引き起こす原因となります。

 

その他、人によっては芳香剤・食べ物のニオイが引き金となり、車酔いになってしまうこともあります。

 

 

自分の運転で酔う人がいるのはなぜ?

 

 

一般的に、車酔いには「同乗者」がなりやすく、運転手が自分の運転で酔うケースはあまり聞かれません。

 

運転手は進行方向に目を向けながらハンドルやアクセル・ブレーキなどを操作するため、視覚から得られる情報と三半規管の感覚が一致しやすく、車酔いになりにくいとされています。

 

しかし、ドライバーの中には、自分の運転で酔ってしまう人もいるようです。

 

以下、運転手なのに車酔いするのはなぜなのか、考えられる理由をいくつかご紹介します。

 

運転に慣れていない

 

いわゆるペーパードライバーの人や、寒冷地で夏場しか運転しない人などは、運転の機会が少ないため「運転そのものに慣れていない」ケースも珍しくありません。

 

また、意外かもしれませんが、教習時に車酔いのような症状が出る人もいるようです。

 

一因として、フロントガラスから見える景色を捉える際に目線が近かったり、発進や停止の頻度が多かったりすると、視覚から得られる情報と三半規管の感覚にズレが生じやすくなるものと考えられます。

 

遠乗りの機会が少ない

 

遠乗りの機会が少ないドライバーは、車で旅行するにも知らない道が多く、先を予測しながら運転できない分だけスムーズな運転が難しくなることが予想されます。

 

運転する機会が多い地元の道の場合、次のカーブや信号などを予測しやすいため、ドライバーは安心して車を操作できます。

 

しかし、港町など複雑な道が多い観光地や、アップダウンの激しい山道などは、歩行者や対向車の動きなども見ながら注意して運転する必要があり、運転手もストレスを感じやすくなります。

 

ストレスは乗り物酔いを助長するため、運転に慣れていないドライバーが体調を崩したとしても、決して不可解なことではありません。

 

体調面で不安がある

 

これは同乗者にもいえることですが、ドライバーの体調に不安要素があると、車酔いしやすくなります。

 

例えば、運転日前日によく眠れないと、しっかり睡眠をとったときに比べて自律神経が乱れやすく、車酔いしやすい傾向にあるようです。

 

極端に空腹だったり、お腹がいっぱいだったりすると、それも悪い刺激へとつながります。

 

 

自分の運転で酔う人の車酔い防止策

 

 

自分の運転で酔う人が、運転中に車酔いするのを防ぐためには、次の3点に気を配ることが大切です。

 

  • 運転技術の改善
  • ルートの把握・検索能力の向上
  • 体調・車内環境の管理

 

以下、それぞれのポイントについて解説します。

 

運転技術の改善

 

運転中に起こる不用意な揺れは、路面状況や風によって引き起こされることもありますが、その大部分はドライバーの運転技術を向上させることで改善できます。

 

ハンドル操作やアクセル・ブレーキの操作を、優しく・ゆっくりできるよう心がけるだけでも、無駄な揺れを抑えられます。

 

また、視線を遠くに持っていき、一点を注視し過ぎないことも、車酔い予防につながります。

 

自力での改善が難しいと感じた場合は、ドライバー向けのセミナーや講習会などに参加して、自分の運転に欠けているポイントを確認するとよいでしょう。

 

ルートの把握・検索能力の向上

 

旅行などで目的地に向かう際、アップダウンが激しい道路やカーブの多い道路を選ぶと、どうしても揺れの影響を受けやすくなります。

 

また、最短ルートにこだわると、入り組んだ道や狭い道、坂の多い道などを走るリスクがあります。

 

対策として、カーナビや地図を使って「遠回りでも走りやすい」ルートや「道に迷いにくい」ルートを選べば、揺れの影響を避けて目的地にたどり着くことができます。

 

普段から、自分が運転しやすいルートを把握してから運転するよう心がけ、道に迷わないようなルート検索を意識すると安心です。

 

体調・車内環境の管理

 

運転前には、腹八分の食事量で運転に臨むと、車酔いのリスクを減らせます。

 

普段の生活で「まだ食べられそう」という量を把握しておくと、ドライブ中の食事量を調整しやすいはずです。

 

ニオイに敏感な人は、芳香剤の利用を避け、食べ物なども車内で食べないようにしましょう。

 

運転前に窓を開けて空気の入れ替えを行ったり、エアコンを外気導入に設定したりするのもおすすめです。

 

 

まとめ

 

車酔いは、目からの情報と耳の奥(三半規管)で感じるバランス感覚にズレが生じ、脳が混乱することで吐き気などの症状が起こる現象です。

 

急な加減速やスマートフォンの操作、車内のニオイなども悪化要因となり、運転手でも感覚にズレが生じた場合は酔ってしまうおそれがあります。

 

具体的には、運転や道に不慣れな場合、寝不足・空腹といった体調不良、ストレスといった原因が運転手の車酔いにつながります。

 

自分の車で車酔いするのを防ぐためには、十分な睡眠や適度な食事で体調を整え、優しい運転を心がけつつ走りやすいルートを選び、必要に応じて車内を換気するなど環境を管理することが大切です。