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安全運転義務違反とは|違反点数や罰金・人身事故のケースも解説

  • 雑学

こんにちは、CARさっぽろです!

 

車を運転しているとき、絶対に避けたいのが「交通事故」ですが、その交通事故の多くはドライバーの不注意で起こっていること、ご存じでしたか?

 

令和6年(2024年)6月の交通事故統計によると、ドライバーが亡くなった事故の原因の約6割が、わき見運転など「安全運転義務違反」により起こっているのです。

 

この記事では、そんな恐ろしい安全運転義務違反について、違反点数や罰金・人身事故のケースなどに触れつつ解説していきます。

 

安全運転義務(違反)とは

そもそも、ドライバーが安全運転をしなければならないことは、道路交通法に明記されています。

 

(安全運転の義務)
第七十条
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

※出典元:e-Gov「道路交通法」

 

多くのドライバーは、法律を知らなくても安全運転の重要性を理解していますが、その一方で自分の過信や不注意によって事故を起こしている人も一定数存在しています。

 

安全運転義務違反に該当する違反の種類

安全運転義務違反に該当する違反は、次の7種類に分類されます。

 

運転操作不適
  • ブレーキやハンドルの操作が不適切だったことで事故を起こすケースが該当する
  • 高齢者のブレーキ・アクセルペダルの踏み間違えは有名だが、片手運転などの行為も運転操作不適に該当する
前方不注意(漫然運転)
  • 前方は向いているものの、他のことを考えていたり放心していたりして、よく運転に集中できていないケースが該当する
  • 死亡事故の原因としてはもっとも多いもので、信号見落とし・速度超過など深刻な事故につながりかねないため注意が必要
前方不注意(脇見運転)
  • 運転中にフロントドアガラスから風景を見たり、車内で何かを探したりしているうちに、前方の確認がおろそかになって事故を起こすケースが該当する
  • 運転中のスマートフォン・カーナビの操作に関しては、道路交通法第71条第5号の5により禁止行為に指定されている
動静不注視
  • 周囲の車や人に気付いていながら、その動静に危険はないと判断し車を運転した結果、事故を起こしたケースが該当する
  • 右前にいる車が車線変更を起こして思わずぶつかってしまったり、右折時に対向車との距離を見誤り衝突したりするなどの例があげられる
安全不確認
  • 動静不注意にやや似ている部分はあるが、こちらは「前後左右の確認はしたものの不十分だった」ケースが該当する
  • 見通しの悪い交差点で一時停止して左右確認をしたが、交差点に進入してから死角から自転車が飛び出してきて衝突したなどの例があげられる
安全速度違反
  • 交差点・横断歩道・見通しの悪いところで、徐行や減速を怠った結果、事故につながったケースが該当する
  • 一般的な速度超過(違反)との違いは、公道自体を制限速度内で走っているかどうか
予測不適
  • 自分の運転中における予測に何らかの誤りがあり、それがもとで事故に至ったケースが該当する
  • 「対向車がよけてくれると思った」は典型的な予測不適の例

 

これらの違反内容につき、事故にこそ至らなかったものの、思い当たる節があるという方も多いのではないでしょうか。

 

事故を起こすと、自分はもちろん被害者の人生にも重大な影響を及ぼしかねないため、十分に注意して運転したいところです。

 

安全運転義務違反の違反点数

安全運転義務違反の違反点数は「2点」となっており、違反そのもののペナルティは比較的低いものとなっています。

 

また、ドライバー側の過失が限定的で、被害者のダメージも軽度であると判断された場合は、不起訴になるケースが多く見られます。

 

安全運転義務違反の反則金・罰金

安全運転義務違反の反則金は、車両のサイズによって以下のような違いがあります。

 

  • 大型車:12,000円
  • 普通自動車:9,000円
  • 二輪車:7,000円
  • 原付:6,000円

 

これらの反則金を支払わずにいた場合、3ヶ月以下の懲役、または50,000円以下の罰金が科せられます。

 

ドライバーが安全運転義務違反をしたからといって、ただちに懲役または罰金刑に処されるリスクは低いものの、決して気軽に考えてはいけません。

 

重大な人身事故を起こした場合はどうなる?

交通事故を起こしてしまった場合、状況によっては重大な人身事故に発展してしまうこともあります。

 

仮に、その原因が安全運転義務違反だった場合、基礎点数である2点に加えて、交通事故の種別に応じてさらに点数が付加されていきます。

 

特に、運転手側の一方的な不注意(青信号で横断歩道を渡っている歩行者を轢いてしまったなど)の場合は、さらに点数が加算されます。

 

自分の不注意から死亡事故を引き起こした場合、免許取り消しになることもあり、取り消されると一定期間は再取得ができなくなります。

 

また、運転の様子によっては「過失運転致死罪」もしくは「危険運転致死罪」が成立します。

 

危険運転致死罪の場合、罰金刑がなく懲役刑からのスタートとなるため、より厳しい求刑が予想されます。

 

まとめ

安全運転義務違反は、故意に事故を起こそうとしていない分、ドライバーの予測を超えた部分で事故に発展するおそれがあります。

 

万一事故を起こしてしまった場合、反則金の支払いだけでは済まず、刑務所に行く未来も十分想像できます。

 

誰かが命を失うような事故を起こせば、もうその命を取り戻すことはできません。

 

車を運転する際は、こまめに休憩をとるなどして、緊張感を失わないよう心がけましょう。